二人用声劇台本「桜とすれ違いの告白」|甘酸っぱい / 学園 / 恋愛 / 朗読・声劇用
【目次】
作品データ
・所要時間: 約3〜5分
・登場人物: 2名(男1・女1)
・ジャンル: 甘酸っぱい / 学園 / 恋愛 / 朗読・声劇用
登場人物
・桜井 ひかり(16):恥ずかしがり屋で内気な女の子。颯太の前だと緊張で思考がキャパオーバーになり、咄嗟に避けてしまう癖がある。
・高橋 颯太(16):明るくて優しい男の子。ひかりのことが最近ずっと気になっているが、避けられている気がして密かに焦っている。
【状況】放課後の校舎裏。大きな桜の木の下。
春風が吹き、桜の花びらがチラチラと舞っている。
ひかり、桜の木の陰からそっと颯太の背中を見つめている。
本編
ひかり(モノローグ)
「はぁぁ……どうしよう……。ずっと、ずっと颯太くんが好きで……でも、姿を見るだけで心臓がバクバクして破裂しそうになる……。ダメ、逃げちゃダメ。今日は……今日こそは、ちゃんと伝えるんだから……!」
意を決して木陰から一歩踏み出すひかり。
しかし、ちょうどその瞬間に颯太がくるりと振り返る。
ひかり、完全にパニックになり、ガサゴソと音を立てて再び木の陰に猛ダッシュで隠れる。
颯太(モノローグ)
「あれ? 今、桜の木の陰に誰か隠れたような……? いや、絶対にひかりだ。あのはぐれウサギみたいな動き、見間違えるわけない。……よし。ひかりとはクラスも同じだし、最近すごく気になってるんだ。でも最近、目が合うとすぐ逃げられるし。……よし、俺から声をかけにいこう」
颯太、足音を忍ばせながら、ひかりが隠れている桜の木の裏へ回り込む。
颯太
「……ひかり?」
ひかり
「ひゃっ!?」
ひかり、ビクッとして猫のように後ろに飛び退く。
颯太、その大袈裟なリアクションに驚きつつも、愛おしそうにフッと優しく微笑む。
颯太
「あはは、そんなに驚かなくても。ごめん、変なタイミングで話しかけちゃった?」
ひかり:
「ち、違うのっ……! その、あの……えっと……別に颯太くんのことが嫌いで隠れたんじゃなくて、あの……っ」(みるみる顔が赤くなり、カチコチになって俯く)
颯太
「あ、そうなんだ? よかった。……実はさ、俺も今日、ひかりにちゃんと話したいことがあってさ」
ひかり
「え……?」(弾かれたようにパッと顔を上げる)
颯太
「ひかりって、最近俺のこと避けてるだろ? 目が合ってもすぐ逸らすし、近づくと逃げるし……。だから、俺、何かひかりに嫌われるようなことしちゃったのかなって、ずっと不安だったんだ。もしそうなら、謝りたくて」
ひかり:
「ち、違うのっ! 本当にそうじゃなくて……!!」
ひかり
「私、颯太くんのこと……す、す……っ。……す、好き……な……」
颯太
「え……?」
ひかり
「――大好きなのっ!!!」(これまでの防衛線が全部崩壊したように、顔を真っ赤にして叫ぶ)
沈黙。3秒ほど、風に舞う桜の音だけが響く
颯太:
「……あははっ! なんだ、そっか……。あー、よかったぁ……!」
ひかり:
「え……?」(指の隙間から、おそるおそる颯太を見る)
颯太:
「だってさ、俺もひかりのこと、ずっと好きだったから。だからさっき『嫌われたのかな』って本気でへこんでたんだよ。両片思いなのに避けられてたなんて、俺、完全にから回ってたじゃん」
ひかり:
「そ、そんなことないっ!! 嫌うわけないよ……! ただ、恥ずかしくて、目が合うとどうしていいか分からなくなっちゃって……」
颯太、安心したように一歩近づき、ひかりの頭をポンポンと優しく撫でる。
颯太:
「そっか。じゃあさ、これからはもう、俺のこと避けるの禁止な?」
ひかり:
「……っ。うん……!」(真っ赤な顔のまま、今度はちゃんと颯太の目を見て、小さく嬉しそうに頷く)
頭上の大きな桜が大きく揺れ、二人を祝福するように、ひときわ多くの花びらがふわりと舞い散る。
すれ違いが恋に変わった、そんな4月の放課後の出来事。
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