留学生が間違えやすい正しい日本語3選。標準的な東京アクセントで日本語を話すにはどうしたらいいのか?
今回は、日本に来た留学生が間違えやすい「正しい日本語の発音・アクセント」について話していこうと思います。
現在、多くの海外出身の方が日本語学校や大学に通ったり、日本で働いたりと、さまざまな目的を持って来日しています。
今回お伝えしていく内容は、主に「標準的な東京アクセントを使って会話すること」を目的にしている方に向けた解説になります。
これは日本のアナウンサーや声優などの職業において、基礎として必要とされる技術になります。
もちろん、将来的に声を使って仕事をプロフェッショナルとして行うのでない限り、日常会話としてのコミュニケーションができれば働く上で全く問題はありません。
なお、この記事の中では「標準的な東京アクセントの日本語」を便宜上「正しいアクセント」と言い換えて記載させていただきます。
では早速、標準的な日本語を美しく話すにはどういう点に気をつければいいのか、3つのポイントを見ていきましょう。
【目次】
1. 「ん」「っ」「長音(ー)」の長さに注意する
日本語は、一つ一つの音を基本的に「一定の間隔(拍・モーラ)」で発音するリズムを持っています。
この等間隔のリズムが崩れてしまうと、聞き手は強い違和感を覚えます。
留学生の場合、もともとの母国語の音韻体系の影響により、文章の中の「ん(撥音)」「っ(促音)」「長音(ー)」を無意識に省略してしまいがちです。
簡単に言うと、これらの音が1拍分足りずに抜けて聞こえてしまうのです。
例えば、「1・2・3・4・5」と等間隔で発音されるべきリズムが、「1・2・34・5」のように一部だけ詰まって発音されたら違和感を感じるかと思います。
留学生の発音にみられる独特な詰まりの原因の多くがこれに該当します。
単語の例を挙げると、「ん」が入っている「みんな」や、「ん」と「っ」が連続する「ランチョンマット」などの発音を苦手とするケースが多いです。
まずはこうした単語ごとの長さを意識して練習し、次に文章の間に登場する「ん」「っ」「長音」をクリアしていくのが確実なステップです。
話は少し逸れますが、日本人が英語の歌をうまく歌えない原因も、このリズムの構造の違いにあります。
日本語の歌は「一つの音符ごとに、一つの音(文字)」を当てはめて作られることが多いですが、英語の歌は「一つの音符ごとに、一つの単語」を詰め込んで作られることが多いためです。
拍の感覚が根本的に異なるため、日本人が洋楽を歌うとリズムが取れずにつまづきやすくなります。
2. 日本語50音の正しい「調音」を意識する
日本語の50音には、それぞれ人間の身体の構造に基づいた正しい発音の方法(調音点・調音法)が存在します。
具体的には、以下のような口の中の使い方が正しく連動しているかどうかが重要です。
- 発音するときの舌の位置(上顎のどこに触れているか)
- 顎の開き方(口がどれくらい縦や横に開いているか)
- 息を吐き出す瞬間の舌の動かし方
- 唇の形や使い方が音と合っているか
これらがほんの少しズレているだけでも、自分では同じ音を発しているつもりなのに、どこかクリアに聞こえなかったり異なる音に聞こえたりする違和感に繋がります。
ただ闇雲に何度も発声練習を繰り返すよりも、一つの音ごとに口の形や舌の動きを確認しながら練習を重ねる方が、結果として早く正しい発音を習得することができます。
日本人が英語特有の「R」と「L」の発音の違いに苦戦するのと全く同じで、日本語を勉強する留学生にとっても、今まで慣れ親しんできた母国語の発音筋と異なる動きを学ぶのは簡単なことではありません。
だからこそ、パーツごとの細かな確認が活きてきます。
3. アクセント辞典を使って「高低の型」を調べる
日本語には、文字で書くと全く同じ音(同音異義語)であっても、アクセントの「高低の型」が違うだけで異なる意味になる言葉が数多く存在します。
・司会(シカイ:最初を低く、後ろを高く発音する)
・歯科医(シカイ:最初を高く、後ろを低く発音する)
このように、アクセント一つで全く異なる職業や意味になってしまいます。
留学生が独学で勉強していると、文字の読み方は合っていても、この高低の型がズレているために言葉が正しく伝わらないというケースが多々あります。
では、どうやって標準的な正しいアクセントを知るのかというと、プロの世界では「日本語アクセント辞典」という専門の書籍を使用します。
プロのアナウンサーや声優、舞台役者は、台本を読み込む際に必ずこれらの辞典を引いて、自分のアクセントが標準語の基準と合っているかを確認しながら仕事をしています。
将来的に声の仕事を目指すのであれば、手元に一冊は必ず備えておきたい必須の辞書になります。
日本語のアクセントや言葉の使われ方は、時代に合わせて少しずつ変化し続けています。
そのため、アクセント辞典も数年ごとに内容が更新された新しい版が発売されます。
常に最新の基準をチェックし、社会の言葉の変化に対応していくことも、声のプロフェッショナルとして活動を続ける上では欠かせない要素です。
何歳になっても、現状維持に満足せず新しい知識を学び続ける姿勢を忘れないようにしたいものです。










